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#11 長英新道の下部樹林帯(残雪が多い) |
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さて、ここからは燧ヶ岳登山隊の紀行です。8時40分頃、ビジターセンターを出発した山本さんと私は、順調に長英新道を登り始めました。
長英新道に入って直ぐに左の写真のような残雪に遭遇しました。6月中旬だというのに、確かに雪解けが遅いようです。
その後、登山道はほとんど顔を出しておらず、樹木に印された赤布を頼りに、ダラダラとしたなだらかな斜面を登ります。
渡辺はストックを持参していなかった為、上部に行った際、雪面での滑落を考えて、あたりの倒木を杖代わりとしました。倒木の枝を折った際、枝がはねて小指を怪我。真っ赤な血が雪面にポタポタと・・・。あわててバンドエイドで応急処置しました。 |
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#12 ミノブチ岳直下の急登にて |
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長〜い、長〜い、樹林帯の登り。もう2時間以上も登っていますが、まだ樹林帯の中です。登山道の一部は雪解け水で沢になっており、まるで沢登りです。雪の踏み抜きも何度かあり、次第に体力を奪われます。
山本さんは快調に進んでいますが、渡辺は徐々に遅れ気味に・・・。5歩位歩くと息が切れ、一旦立ち止まって息を整えて・・・。こんな私の姿に、山本さんはさぞやイライラしていたことでしょう。
登り始めて約3時間でようやく森林限界にでました。周りの景色は良くなってきましたが、前方にはミノブチ岳への急斜面が・・・。景色を楽しむ余裕はありません。 |
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#13 ミノブチ岳山頂にて(背後の右のピークはまないたぐら) |
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ミノブチ岳への急登の雪面上で早めの昼食をとりました。多分、バテる寸前の私に気をつかってくれたんでしょう。ともかく、持参したおにぎりを2ヶ、水で流し込みました。
昼食後、ミノブチ岳への急な雪面を一気に登りました。ミノブチ岳の山頂は平坦な場所が広がっています。横には大きなケルンが積まれています。眼下には尾瀬沼が広がっています。
見上げれば、目の前に燧ヶ岳(まないたぐら)が聳えています。ここから30分ほどですが、バテ気味の私には随分と遠く見えました。 |
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#14 燧ヶ岳(まないたぐら)山頂2346mにて(背後は尾瀬沼) |
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ピクピクと痙攣しそうな足を引きずりながらも、最後の力を振り絞って、燧ヶ岳まで一気に登りました。
稜線上なので、雪はほとんどついていませんでした。出発から4時間、標準タイムを1時間もオーバーして、ようやく燧ヶ岳(まないたぐら)山頂につきました。いや〜、山本さん、ご苦労をおかけしました。
山頂には僕らの他に2人しかいませんでした。頂上からは尾瀬沼が一望できます。雪をたたえた越後三山も見えます。
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#15 燧ヶ岳(まないたぐら)山頂2346mにて(背後は尾瀬沼) |
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まないたぐらの頂上はあまり広くありませんし、岩がゴロゴロしています。ここで大休止です。といっても、予定より遅れていたので、あまりのんびりもしていられませんので、30分ほどの休憩に留めました。 |
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#16 燧ヶ岳(まないたぐら)山頂2346mにて(背後は至仏山2228m) |
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#17 まないたぐら山頂より柴安ぐら山頂(2356m)を望む |
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頂上付近の様子は、ここまで登ってくる間にすれ違った登山者に聞いていたので、だいたい想像通りでした。問題は柴安ぐらへの急雪面の通過です。
幸いにも僕らは登り方向なので、ストックをつかって、ゆっくり登れば大丈夫だろうという結論に至りました。といっても、私は倒木がストック代わりです。万が一、滑落したとしても、斜面の様子から推測すると、そのまま緩斜面まで滑り落ちて停止するか、あるいは悪くてもハイ松帯に突っ込むかです。
ここだけ無事に通過すれば、後は特に危険な場所はありません。 |
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#18 まないたぐら山頂からの展望 |
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#19 まないたぐら山頂からの展望(越後三山方面) |
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柴安ぐらの北面は急な崖になっており、かなり崩落が進んでいるように見えました。もちろん、ここには登山ルートはありません。
いよいよ出発です。一旦、10分ほど岩場を下り、いよいよ雪面を登ります。徐々に急になってきます。途中の核心部は相当な急角度で、一歩一歩、ストック代わりの倒木を雪面に刺しながら、慎重に登りました。斜度は45度位あったでしょうか。
そして、何事もなく、無事に核心部を通過し、柴安ぐら山頂に到着しました。 |
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#20 柴安ぐら山頂2356mにて(背後は至仏山と尾瀬ヶ原)
見晴十字路の山小屋が見える |
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柴安ぐら山頂からは、尾瀬ヶ原方面と至仏山が一望できます。目をこらしてみると、今夜宿泊予定の見晴十字路の山小屋群もみてとれます。「あそこまで下るんだ〜、まだ結構あるな〜」、そんな思いが巡ってきます。遅れていることもあり、山本さんと交互に記念撮影だけして、いよいよ下山開始です。 |
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#21 温泉小屋道と見晴新道分岐点にて(背後は至仏山と尾瀬ヶ原) |
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#22 温泉小屋道と見晴新道の分岐点から望む柴安ぐら(2356m) |
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温泉小屋道の分岐まで一気に下り、ここからコースを左にとり、見晴新道に入ります。しばらくして、登山コースは沢筋に入り、残雪の上を1時間ほど下りました。
アイゼンを付けていないことや、疲れなども手伝って、尻餅をつくこと数限りなく、また、幾度も雪を踏み抜きながら下りました。
まだかまだかと、いい加減嫌気がさした頃、沼尻からの遊歩道にでました。遊歩道の上を歩くことが何と楽に感じたことか・・・。
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#23 見晴新道の下部樹林帯
登山道のほとんどは残雪に埋もれていた |
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こうして、ビジターセンタを出てから7時間30分かけて、ようやく原ノ小屋に到着しました。標高差約900m、全沿面距離8.5kmのコースでした。 |