北海道・知床半島ツアー
2005年9月2日〜6日
Part 4
Part 1 Part 2 Part 3 Part 4 Part 5 Part 6 Part 7
◆◆ 9月4日 硫黄山岳登山 & 知床五湖散策 ◆◆
#37 硫黄山(いおうざん)登山口にて
 さて、今日は硫黄山へ登ります。本当は頂上まで登るつもりでしたが、マイカー規制の為、登山口に降り立つにはシャトルバスの利用しか選択肢がなく、そのバスの始発がよりによって8時という、登山者の事などこれっぽっちも考えてくれない運行の為、山頂往復は諦めざるを得ませんでした。(8月24日までは6時始発のバスが出ていましたが、ようするにシーズンオフということでしょう。)

 新噴火口最上部辺りまで登りましょう、ということで知床自然センターを8時発の始発のシャトルバスに乗りました。
#38 登山口脇で朝ご飯を食べていたエゾシカの雄
 予想に反してバスは満員。我々3名以外はすべてカムイワッカ湯の滝が目当てです。(あまりの人気にちょっとげんなりしました。)こんなに人が乗るほど儲かってるなら、マイクロバスでも良いから、1台位、早朝に走らせてもらいたいもんです。

 登山口ではエゾシカの雄がせっせと朝ご飯を食べてました。(下山後もいましたので、ここの主のようです。優しそうに見えますが、野生なので油断すると危ないです。特に雄は角があるので、必要以上に近づかないことです。)
#39 展望台にて
 登山口にある箱に登山届けを出し、さて、今日は何人位入山してるのかな? と登山者名簿を覗くと届け出者ゼロ。

 冷静に考えれば、そりゃそうです。僕らが始発で来たんですから、それより早い時間に登れる人は、前日この辺りでキャンプでもしていない限りいないはず。こんなところでキャンプするのは、ヒグマさん、是非食べて下さいというような自殺行為。

 ということで、誰も前を歩いていないというのは、あまり気持ちの良いものではなく、クマさん、でて来ないでね!と祈りながらの出発です。
#40 2ピッチ目の休憩(新噴火口)
後ろの山が硫黄山
 登山口から1ピッチ、30分で展望台に到着。コバルトブルーのオホーツク海が目にしみます。

 さらに先に進むと、次第に硫黄の臭いが立ちこめてきます。新噴火口内に足を踏み入れている証拠です。新噴火口といっても、富士山のようにすり鉢状の噴火口があるわけでもないようで、所々から白い蒸気が噴き出しているだけです。
#41 新噴火口付近
今でも所々から蒸気が立ち上り硫黄を噴出している
 良く見ると、蒸気を噴き出している周りは黄色になっています。これが硫黄です。中には石けんより大きな硫黄の固まりもありました。

 この山は生きているって感じです。硫黄の臭いにはなかなか馴れません。
#42 新噴火口上部
オホーツク海のブルーが目にまぶしい
 出発してから1時間半で、新噴火口最上部に到着。山本さんがもう少し先に行きたいというので、さらに20分ほど登りました。

 新噴火口最上部からは尾根をたどりますが、これが歩きにくいのなんのって、ハイマツの根が登山道内を無数に絡み合っていて、とても登山道という道ではありません。でも、これが硫黄山の良さでしょう。
#43 新噴火口から沢出合への尾根ルート
ハイマツの根が多くて大変歩きづらい
 羅臼岳とは違って、入山者も少ない硫黄山は、登山道もあまり整備されていません。(個人的にはあまり整備してほしくない。自然のままの姿に近いほうが好きです。)

 ヒグマに出会う確率も、羅臼岳に比べれば格段にこちらのほうが高いでしょう。特に沢沿いに迷い込んでしまった時などは遭遇する恐れが高いようです。
#44 今回の最高到達点(標高約900m)から見た硫黄山
 我々が登っている当日も、一人の登山者が登ってきて、1年前にこの山に入ったまま行方不明の友人を捜しにきたとのことでした。このハイマツを見れば、道を間違えて未知のハイマツ帯に入り込むことなどあり得ませんので、間違って沢を降りてしまった可能性が高いようで、そうすれば、おそらくヒグマにやられているだろうと言ってました。

 さて、我々は標高900m付近の沢出合の少し手前で引き返すことにした。バスの時間が原因で、途中で引き返さねばならないのは誠に残念です。
#45 新噴火口最上部にて
後ろはオホーツク海
 新噴火口最上部で昼食を取り、景色を眺めながらのんびりと過ごす。この日の天気は晴れ、前日の羅臼岳登山より、かなり暑かった。

 硫黄山の核心部は稜線近くの噴火口付近、木がまったく生えていない斜面が広がっているが、近くで見ることができないのが何とも残念な限りです。

 と言っても、前日の登山でかなり疲労しているので、もっと上まで行きましょうと言われてたら、そうですね、行きましょう!と言えたかどうかは疑問です。
#46 新噴火口の下り
中央付近に見えるのは山本さんと藤田さん
#47 旧硫黄採掘地
かつてはここで硫黄が採掘されていた
 下りはのんびりと歩きましたので、登りと同じ位、時間がかかりました。

 途中には、かつて硫黄を採掘していた際の小屋跡が残っています。

 こんなところで寝泊まりして硫黄を採掘していたとは凄いです。戦後、輸入品の硫黄に負け、今では採掘は行われていません。
#48 旧硫黄採掘地付近よりオホーツク海を望む
#49 尾根筋の登山道からは、カムイワッカ川(天然温泉)で
戯れる人達が見える(望遠撮影)
 展望台付近からカムイワッカ川を覗き込むと、カムイワッカ湯の滝に遊びにきた連中の姿を見ることができます。

 ここを流れる水は温泉で、途中の滝壺が天然の温泉になっている為、多くの観光客が訪れます。

 我々も硫黄山下山後、行く計画でしたが、30分ほど沢歩きをするので、登山靴ではダメ。濡れても良いズックや地下足袋、わらじを持参する必要がありますので、我々は行くのを諦めました。(大勢の人でごった返しているのも推測できたので、そんなこともあって、行く気になりませんでした。)
#50 登山道の下部樹林帯
羅臼岳の様子とは少し異なり、より原始的な雰囲気が漂う
 硫黄山の下部樹林帯の様子は、羅臼岳とは少し雰囲気が違います。生えている木々の印象から、より原始的な感じがします。

 14時頃、登山口に降り立ちました。9時に登り始めたので、丁度5時間の登山でした。

 宿に帰るにはまだ早い時間なので、シャトルバスを途中下車し、知床五湖を散策していくことにしました。
#51 知床五湖(一湖)からの硫黄山
 一湖〜五湖までを1時間ほどかけて一周しました。

 天気が良くて何より。雨でも降っていたら、ブルー色の湖が映えるこの景色は拝めません。(雨ではおそらく綺麗だとは感じないでしょう。)

 五湖の売店で食べた「コケモモ&ハマナスのアイスクリーム」が美味しかった〜。
#52 逆さ羅臼岳と藤田さん
(知床五湖・一湖にて、山本さん撮影)
 山本さん、ナイスショットです。(下のように、藤田さんが顔だけを下からひょっこり出して、その頭の上に山が広がっている構図だと、もっとインパクトがあったかもしれませんね。)

#53 番屋のカウンターにて(後ろはご主人)
店を出る時なので、ご覧の通りもう完全に出来上がってます(爆)
 夜は坂道を降りて、ウトロの町中にある人気の居酒屋「番屋」に行った。

 品数も豊富で、どれも凄く美味しかったです。ホッケやつぶ貝、ゲソなど、この日も知床の魚介類を中心にお腹を満たした。

 なかもで、仕上げに食べた独特の太巻きは、ウニの味がしみていて凄く美味しかったです。お勧めの一品。ご主人も凄く愛想が良くて気さくな感じの人です。
#54 番屋のご主人と
 僕(渡辺)は、たしか、ここでもラーメンで仕上げたと思います。毎夜、ラーメンで仕上げるのをノルマとしております。
Part 5
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